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ほぼ漫画業界コラム第293回
【電子漫画業界最大のピンチ】
久々のコラムです。 今日は漫画を読んでくださっている皆さんに、普段は見えない業界の裏側を話します。 電子漫画業界はいま、最大のピンチの中にいます。
まず起きていることから。 国内最大級の電子コミックストア、コミックシーモアさんが10月15日から不正アクセスで止まっています。会員情報の流出も確認されました。 18日にはRenta!さんも停止。再開のめどはどちらも立っていません。 ピッコマさんやhontoさんでは委託先経由で約100万件のメールアドレスが流出し、他の書店さんも次々と緊急メンテナンスに入りました。
「ストアが一つ止まっただけなら、他で読めばいい」 そう思いますよね。 でも電子漫画の市場は、そういう形をしていないんです。
電子ストアは何十社もあります。 でも市場のかなりの部分は、Amazonさん、シーモアさん、めちゃコミックさん、ピッコマさん、LINEマンガさんの5社に集中しています。 残りの書店さんを全部足しても、この5社には遠く及びません。 5社のうち1社が止まるというのは「数十分の一が止まった」ではなく、市場の大きな塊が丸ごと消えたということです。
「出版社が自分のサイトで売ればいいじゃないか」と思う方もいるでしょう。 実はもうやっています。ジャンプもマガジンも、大抵の出版社は自社のWebコミックサイトを持っています。 でも自社サイトで作品を読ませることはできても、売上の多くは結局その5社の電子ストアから入ってくる。 大きな自社サイトを持つ大手ですら、売上は電子ストアに依存している。 これが今の電子漫画の現実です。出版社も作家も、この構造の上で食べています。
うちのような新しい会社はさらに踏み込んでいます。自社サイトは持ちつつも、 新作はまず1社のストアで「独占先行配信」する。そのストアが広告を打ち、ランキングに載せ、読者を集めてくれる。 その代わり、その作品の売上の多くはその1社から入ってくる。 大手も中小も、程度の差はあれ売上の行き先は同じ5社。 うちの場合はそれが1社に、より強く集まっているというだけです。
つまりこういう構造です。 市場の大きな塊を持つ5社に、業界全体の売上が集まっている。 そのうち1社が止まれば、そこに集まっていた売上が丸ごと消える。 しかも受け皿になれる規模のストアは、もともと数えるほどしかない。
今回、うちの会社はまさにそれを食らいました。 売上の何分の一かが消えた。 それでも連載は止められない。原稿料は毎日出ていく。入ってくるものはゼロ。 そこで連載していた作家さんの印税も止まる。 一生懸命描いてくれた人たちに「待ってください」としか言えない。 申し訳なさで胸が潰れそうです。
でもこれは、うちだけの話ではありません。 ストアは売上が消え、復旧と補償に追われる。 出版社は売上が激減し、それでも原稿料は払い続ける。長引けば会社が潰れる。 会社が潰れれば、編集者もデザイナーも営業も、社員全員が食えなくなる。 そして作家の印税が止まる。 一本の鎖です。どこか一つが止まれば、鎖の先にいる全員の生活が止まる。 漫画を届ける仕事は、それだけ多くの人の生活でできています。
誤解しないでほしいのは、この構造が間違っていたわけではないということです。 大手5社が巨大な読者を集め、作品を売ってくれたからこそ、今の電子コミック市場があります。 出版社がどれだけ自社サイトを頑張っても届かない数の読者に、5社は届けてくれる。 出版社も作家も、それで救われてきました。
ただ、この構造には一つだけ前提がありました。 「ストアは止まらない」です。
今年、世界で起きていることを見てください。 4月、世界3000万人が使う教育プラットフォームCanvasがハッカー集団に侵入され、身代金を払って決着したと報じられました。 6月、韓国の動画配信TVINGから3954万アカウント。KDDIから1223万人分。 9月、Gyazoから2362万件。ヤマト運輸と佐川急便は一部サービスを停止。 10月、焼肉きんぐから1078万件。大阪公立大学はランサムウェアで全授業が止まりました。 韓国では金融機関16社が立て続けに攻撃され、セキュリティ企業はAIツールの関与を疑っています。
IBMの今年の調査では、悪意ある情報漏えいの4件に1件にAIが関与し、前年から56%増えたそうです。 シーモアさんやRenta!さんの手口はまだ公表されていません。だから「AIのせいだ」と断定はしません。 ただ、僕は社内をAIでDX化して「すごい時代が来た」と本気で感心していた人間です。 その僕が今、思い知っています。 攻撃する側のコストは、AIでほぼゼロになった。 守る側のコストは、まだ人間と金で払っている。 この非対称がある限り「ストアは止まらない」という前提は、もう成り立ちません。
つまりこういうことです。 「業界全体の売上が5社の電子ストアに集まっている」という構造と、 「どのサービスもいつか止まる」という時代が、正面からぶつかっている。 5社のどこが止まっても、業界全体が今回と同じ目に遭います。
だから問いたいんです。 この構造のまま、次の停止を待つのか。 止まる前提で、業界を組み直すのか。
組み直すなら、何が必要なのか。 売上が止まる期間の補償を、業界として持つのか。 1社が止まったとき、残りの4社や他の書店さんですぐ受け止められる仕組みをどう作るのか。 「自社サイトを持てば解決」ではないことは、もう大手が証明しています。 では、何なら解決になるのか。
まだ誰も答えを持っていません。 いま電子書籍業界の方々と会って、この話を議論しています。 答えが出ていないからこそ、読者の皆さんにも知ってほしくて書いています。
答えは出ていない。でも、止まっているわけにはいかない。
実は僕たちは今日、10月26日からシーモアさんと一緒に新しいレーベルを立ち上げ、本当にIPになりうる7つの漫画をつくるプロジェクトを始めるはずでした。 坂本編集長を中心にYouTubeも準備し、YouTuberも雇って手の込んだ仕掛けを用意していました。 全部、止まりました。 復旧がいつになるかは神のみぞ知る世界です。
だから僕たちは決めました。 待ちません。
YouTubeは予定どおり本日19時に配信します。 発表するはずだった作品は、準備が整い次第、自社サイト「コミックルームBASE」で先行配信します。 シーモアさんが復活したその日に、もう一度一緒に企画を練り直します。
正直に言えば、これは構造への答えではありません。 自社サイトで先行配信しても、大手ストアで出すような売上にはなりません。それは分かっています。 でも作家さんが描いた作品を、読者に届けないまま止めておくことだけはしたくない。 売上のためではなく、鎖を止めないための場所です。 シーモアさんが戻ってきたら、また本来の形に戻します。
僕たちは漫画をつくることしかできません。 だからせめて見ていてほしい。 坂本編集長を中心に編集部全員が、いまこの瞬間も漫画家さんと机を並べて漫画をつくっている姿を。 演出のないリアルなドキュメントになると思います。
漫画をつくる。それだけは何があっても止めません。
この投稿を読んで何か考えることがあったら教えてください。 作家も編集者も、漫画に関わる全員が安心して働ける業界にするために、何が必要なのか。 拡散してもらえたら、この議論がもっと広がります。
サイ&Co
『映画名探偵プリキュア!
不思議な庭と2人の秘密』
オープニング映像💖
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巨大ダメダメに立ち向かう #たんプリ
そして!#キミプリ 、#わんぷり の姿も👀
お気に入りのシーンは #映画たんプリみたよ で教えてね✨
この秋、一歩踏み出せる
「#映画たんプリ」と一緒なら。
長田さん、マジでヒーローやるために生まれてきたような眼力と声
髪をかきあげて『鉄壁のレイジ』から『弩城怜慈』に戻り、我々が心から待ち望んでいた「蒸着」!!
興奮と鳥肌が止まらんかったぜ…!!
#オメガホーン
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