女性社員「ふかみちさん、ちょっと相談があるんですけど」
ふかみち「いいよ。どうしたの?」
女性社員「職場の男性のことで」
ふかみち「もちろん。何かあった?」
女性社員「仕事はできるし、普段は親切なんですけど、なんか距離感がおかしくて」
ふかみち「あー、いるねえ。職場をキャバクラかなんかと勘違いしてるおっさん」
女性社員「そうなんですよ」
ふかみち「で、何されたの?」
女性社員「雑談してると、昔はすごくモテたとか、聞いてもない話をしてくるんです」
ふかみち「あはは。いるいる。俺も昔は相当モテたけど、自分から言い出したらおしまいだよね」
女性社員「そうですね」
ふかみち「ほかには?」
女性社員「なんか、下ネタとか」
ふかみち「あー。それはちょっとね」
女性社員「自分の身体の話とか」
ふかみち「身体?」
女性社員「その、アレが大きい、とか」
ふかみち「あははは! それはアウトだわ。まあ俺もでかいけどね(笑)」
女性社員「……」
ふかみち「冗談冗談(笑) で?」
女性社員「遊んでそうだね、とか」
ふかみち「あー、そういうのね。まあ、君もちょっと遊んでそうだけどね(笑)」
女性社員「……」
ふかみち「なんてね。まあ、こういうのは関係性だからさ」
女性社員「関係性ですか」
ふかみち「そう。俺と君なら冗談だって分かるじゃん」
女性社員「そうですね」
ふかみち「そこを勘違いするおっさんが多いんだよ。自分はまだイケると思ってる」
女性社員「その人も、俺と遊ぶ? って」
ふかみち「あー、完全に勘違いしてるね」
女性社員「笑ってごまかしたんですけど」
ふかみち「そうすると向こうは脈ありだと思っちゃうから」
女性社員「でも、上司なんで、笑わないわけにもいかなくて」
ふかみち「そりゃそうだよな。上司だからこそ、そこは察してあげないと」
女性社員「はい」
ふかみち「俺はね、相手が嫌がってたら分かるから。そういう空気は読めるつもり」
女性社員「でも、笑ってたら?」
ふかみち「うーん。まあ、そこは難しいよね」
女性社員「ですよね」
ふかみち「だからさ、一度はっきり言ってやったほうがいいよ。嫌ですって」
女性社員「本人にですか?」
ふかみち「そう。やめてくださいって。それでも駄目なら人事に相談したっていいんだから」
女性社員「……本当ですか」
ふかみち「もちろん。俺も管理職だからね。ちゃんと味方するよ」
女性社員「じゃあ、今、言ってもいいですか」
ふかみち「いいよ。練習してみな」
女性社員「ふかみちさん、そういう話、やめてください」
ふかみち「うん。いいね。ちゃんと言えてる」
女性社員「本当に嫌なんです」
ふかみち「うんうん。そのくらいはっきり言わないと」
女性社員「はい」
ふかみち「大丈夫。それで通じないような人なら、俺が一緒に人事に行ってあげるから」
女性社員「ありがとうございます」
ふかみち「うん。で、結局誰なの? その人」
女性社員「いま言いました」
ふかみち「うん」
女性社員「ふかみちさんです」
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