
ALT 元セックスワーカーの 私がなぜ買春処罰に 反対するのか? 要友紀子 私が初めて風俗で働いたのは2000年頃。 ちょうど風営法が改正されてデリバリーヘル ス(派遣型サービス)が解禁となった (1999 年)直後で、風俗業界は過渡期を迎えてい ました。 国はセックスワーカーの声を聞かず一方的に 法改正をしたため、店舗型の風俗店がどん どん警察に潰され、若い女性たちも警察に 連行されました。また、風営法違反の幇助(ほ うじょ) 罪で逮捕される子もいました。 その後は、お店専属のドライバーが運転する 車に乗って、客の待つホテルや自宅に移動 するデリヘルで孤立して働く人が増えました。 ホテルや客の自宅で怖い思いをしても、店舗 型風俗のようにそばにスタッフがいないので、 労働環境の安全面もだいぶ悪くなりました。 1987年には、池袋のホテルで客からひどい 暴力を受け殺されかけたホテトル嬢が、正当 防衛で身を守るために客が持っていたナイフ を奪って客を刺殺してしまった事件がありま した。その事件の裁判では、「売春契約をし た以上、(ホテトル嬢の) 性的自由及び身体 の自由は放棄されており、保護に値しない」と、 ホテトル嬢に有罪判決が出ました。 私が働き始めたずっと前から、そして私がセッ クスワークを離れてからも、セックスワーカー はほとんど泣き寝入りするしかない立場にお かれているのです。この状況を後世に残して はいけないと強く思い、元セックスワーカーと して、現役で働く人の安全と健康を守るため の活動を始めようと決めました。 もし買春行為が犯罪になれば、買春を成立 させる「売春」も幇助や共謀と見做されるで しょう。その結果、セックスワーカーはどのよ うなまなざしを向けられるでしょうか? 仕 事場となるホテルや風俗広告サイトはどうい う態度をとるようになるでしょうか? 面倒な セックスワーカーと関わることを避けるように なり、ワーカーは守られなくなるでしょう。そ して、法律によってセックスワークに対する否 定的な感情が強化され、セックスワーカーは 社会的にますます周縁化されていくでしょう。 社会がセックスワーカーの敵であってはいけ ません。私たちはセックスワーカーに信頼さ れ、ともに生きる社会をつくらなければいけ ません。































